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電子情報通信工学科

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大松特任教授が「平成23年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)」を受賞

2011年5月9日 (月)

 電子情報通信工学科の大松繁 特任教授が,平成23年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)を受賞しました.

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 この賞は,日本の科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究・開発を行った個人やグループに対して与えられるもので,今年度は本学の大松特任教授をはじめ47件の研究が選ばれました.詳細は以下の通りです.

研究業績:ニューラルネットワークによる認識と制御の知的高度化の研究

業績内容:
 人間は,周囲環境を瞬時に認識し,それに基づいた適切な判断と行動を行い,それを評価して賢くなる学習機能を有しているが,従来の識別や制御の技術にはそれらの機能が十分備わっていなかった.そのため,製品の良否検査では人間による官能評価が主流であり,実在の制御系ではオペレータの経験と勘の助けが必須であり,認識と制御の知的高度化が困難であった.
 本研究では、ニューラルネットワークを用いて人間の学習機能を人工的に模擬することにより,官能評価の標準化手法やオペレータの知識と経験の学習法を確立し、認識と制御の知的高度化を図り、それらの技術の実装化を行った.
 本研究により,高速・高精度な紙幣識別機の開発,音響情報による紙幣の新旧識別や工業製品の良否検査の高度自動化,匂い情報の定量化および五感情報の統合化による高度情報処理の新展開と人間のように賢い制御技術と確立が可能になった.
 本成果は、視覚、聴覚、嗅覚に関する微弱情報の抽出および賢い制御系の実現により,社会の安全・安心ならびに五感情報を活用した情報の質の向上や人に優しい知的社会の創生に大いに寄与することが期待される.

主要特許:特許第3892258号「自動検査装置及び自動検査方法」

主要論文:「Identification of the Defective Transmission Devices Using the Wavelet Transform」IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence、vol. 27, no. 6, pp. 919〜928、2005年6月発表.