学科紹介:環境工学科 教員LETTER

おもちゃ好きが高じています

環境工学科 准教授 福岡 雅子 Masako FUKUOKA

2010年7月10日公開の映画“TOY STORY 3”を,公開初日に見ました。
とにかく,どんな展開なのか,どんな映像なのか,少しでも早く知りたかったのです。

■成長したら何かを置き去りにすることもある
この映画は,ディズニー&ピクサーの長編CGアニメーションで,1作目,2作目同様,おもちゃ達の冒険と愛と友情の物語です。しかし,今回はそれ以上に,ごみを研究対象としている私にとって,とても魅力のある内容でした。特に興味深かったのは,大学に進学する少年とおもちゃ達との別れを描いていること。不要になったおもちゃをどのように処遇するか。ごみとして捨ててしまうのかリユースやリサイクルをするのか。はたまた,タンスの肥やしにするのか。

■ごみになっているおもちゃ
日本でのごみ質調査結果からすると,おもちゃは家庭から排出されるごみの0.2%程度です。それでも,日本全体の2008年度の生活系ごみが3,118万トンですから,ごみとして処理されるおもちゃは年間約6万トンと推定できます。概算ですが,おもちゃ1点800gとすれば,7,800万点分です。2005年国勢調査の15歳未満人口の1,740万人で割ると,1人年間4.5点になります。子どもは大きくなるし,おもちゃも古くなる。経済活動は活性化しなければならない。けれど,残念な,でも実際にありそうな推計値です。

■クライマックスはごみ処理施設
映画の話に戻りましょう。もう一つの興味深い点は,劇中のおもちゃ達の冒険の舞台として,ごみ収集車やごみ処理施設が登場することです。実物を忠実に再現している描写やデフォルメした部分,実際にはあり得ない状況など,ごみの専門家に徹して突っ込みを入れて見るのも面白いです。

ピクサーのアニメ映画では,2008年に公開された“WALL・E”の主人公も,太陽光電池で働くごみ処理ロボットでした。ピクサーの制作陣にごみ処理が大好きな人がいるのかと思ったら,“TOY STORY 3”の最初の原案を作成したのは“WALL・E”の監督でした。

■レゴ社のおもちゃ
実は,映画関連商品として,ごみ処理施設とごみ収集車のおもちゃがレゴ社から発売されています。これまで,パッカー車のおもちゃは数々見ましたが,ごみ処理施設のおもちゃを見たのは初めてです。これは,手に入れるしかない!!! さっそく手に入れて,まだ封を開けずに箱を飾って楽しんでいます。

ちなみに,レゴ社はデンマークの会社ですが,デンマークは日本やスイスと並んでごみ焼却率が高い国です。ただしそれが,おもちゃに反映されているかどうかはわかりません。そういえば,映画の焼却炉とレゴ社のおもちゃの焼却炉は,双方ともデフォルメされていますが,根本的な型式が違うような気がします。
これ以上はネタバレになりそうなので,やめておきましょう。


かくして,我が研究室の一角は,ごみ関連TOY達で占領されています。
自治体やごみ収集運搬会社の皆さんも,よかったら,パッカー車にピンクの熊のぬいぐるみを飾ってみてくださいね。


【後日談】
夏休みに,それまでに進路が決まっていたメンバーが,パッカー車のレゴを組み立てました。ごみ処理施設のレゴは,研究室の4年生全員の進路が決まったら作ることにしました。

みんなの進路が決まった頃には卒業研究が忙しくなって,レゴの製作はお預けになりました。

そして,卒業式の日。 みんなで,ごみ処理施設を作り上げました。
クレーンの位置は,やっぱり納得できません。

買ってしまったおもちゃ(組み立ては,まだ我慢中)

買ってしまったおもちゃ(組み立ては,まだ我慢中)

晴れ着で製作中

晴れ着で製作中

完成

完成


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