学科紹介:環境工学科 教員LETTER

食品ロスの課題に取り組んでいます

環境工学科 准教授 福岡 雅子 Masako FUKUOKA

■食品ロスが先進国の課題
環境省及び農林水産省によれば、2014年度の日本国内の食品廃棄物量は約2,775万トン、本来は食べられるものなのに廃棄される食品、いわゆる食品ロスは年間約621万トンと推計されています。この日本の食品ロスの量は、世界全体の食品援助量の約2倍です。8億5千万人の人々が栄養不足になっていますが、私たちは深く認識することなく、食品を捨ててきました。
それは問題だということで、日本では、「食べものに、もったいないを、もういちど」を標語にした国民運動や、食品リサイクル法に基づく食品廃棄物の発生抑制を進めて、食品ロス削減に取り組むようになりました。先進国共通の問題なので、ヨーロッパ諸国なども対応を進めています。

■今年の研究室のメインテーマは食品ロス
一昨年、大学生がアルバイト先で食品ロスにどのように関わっているかを把握する調査を他大学と共同で行いました。今年度は、地元商店街と連携した食品ロス調査を展開中です。
5月に、旭区内の商店街の協力を得て、研究室メンバー全員が手分けして飲食店・食品小売店を訪問し、食品ロスに関する聞き取り調査をしました。
協力いただいたのは、大阪工業大学と各種の地域連携事業を進めている「森小路京かい道商店街」です。大阪を代表する商店街群の千林。千林商店街を軸として複数の商店街が連なっていて、「森小路京かい道商店街」は千林商店街と京阪電車の森小路駅をつなぐ位置にあります。
このレターを書いている今日は、店舗のごみの展開調査を行っています。営業終了後にごみをもらい受け、翌朝から研究室メンバー総出で分類・計量を行います。1日分の営業ごみを店舗ごとに、食品ロスや調理くずと容器包装などに分けて測定するのです。試料(営業ごみ)をいただきに行って、差し入れももらって来ました。ありがたいです。
調査結果の整理ができたら、地域密着型商店街での食品ロス削減の実態はどうなっているか、この先どのようなことができるかを、商店街の皆様と一緒に考えていきます。

■商店街の人達や大学職員から学ぶ
聞き取り調査では、仕事の大変さやおもしろさも語っていただき、就職を控えた4年生にはとても参考になったようです。展開調査は大学構内で行っているので、許可申請や試料の取り扱いで大学職員の方々に様々にお世話をかけています。それらを通じて、安全・適切な作業をどのように成立させるかを、メンバー全員が常に考えて動くようになりました。

自分たちの力は小さいけれど、食品ロスの課題を知り、少しでも社会貢献ができたら幸せです。よい成果を得たいと思います。

森小路京かい道商店街の位置

森小路京かい道商店街の位置

展開調査の風景

展開調査の風景

食品ロスの計量

食品ロスの計量


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