研究室VOICE!

魅力的な半導体ナノ粒子

一般教育科 准教授 原田 義之 Yoshiyuki HARADA

原田 義之

魅力的な半導体ナノ粒子

私は一般教育科に所属しており、1、2年生が受講する物理学実験を中心に物理学の授業を担当しています。一方で卒研生と大学院生の研究指導の一端も担っています。研究では、各方面で注目を集めている半導体ナノ粒子に関心をもち、中でも、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(Cu2O)、及び、硫化亜鉛(ZnS)といったナノ粒子の光学的性質について調べています。それらの材料は光学的・電気的に興味深い特性を示すことから、目下、発光材料、触媒、センサー等の幅広い分野への応用に期待が寄せられています。

ここでナノ粒子とはナノ(10−9)メートル程度のサイズをもつ粒子を意味し、バルク(bulk:塊を意味する)結晶とは異なる性質を示すことが知られています。例えば、数ナノメートルのサイズのある半導体では、その大きさに応じて赤、緑、青色の発光を示すものもあります。これは量子サイズ効果と呼ばれる現象として理解できます。また、一般に半導体のナノ粒子ではバルクと比べて発光効率が向上すると言われていますが、形状やサイズの他、表面状態に依存するなど、未だ不明の点が多くあります。

この研究ではまず、形状とサイズを制御した半導体ナノ粒子を得ることが必要となります。そこで、環境にやさしく、低コストで簡易プロセスである液相合成法を用いて粒子の作製を試みました。最近ようやく目的に見合った球形やロッド形をもつZnO(現段階ではサブマイクロメートルオーダーの)粒子の作製に成功しました。ここでZnOは青色から紫外光領域で強く発光するなど様々な特長を有する半導体です。次に、微小なサイズであるナノ粒子の光学評価にも工夫が必要です。そのため顕微ラマン−フォトルミネッセンス測定システムと呼ばれる装置を構築しました。これにより、約−263 ℃の温度の下で、大きさ約1 μmの試料微小部からの光信号を検出することが可能となりました。

以上の実験手法を駆使して、半導体ナノ粒子における発光機構を明らかにするため研究を行っています。バルクでは見られないような興味深い現象も垣間見ることもでき、日々わくわくしながら学生さん達と研究を進めているところです。半導体ナノ粒子は基礎物性の興味のみならず、今後、環境・エネルギー分野の他,医療応用などで新たな利用が期待されており、私にとって魅力的な材料の一つです。

作製したZnO粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像

作製したZnO粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像

作製したCu2O粒子のSEM像

作製したCu2O粒子のSEM像


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