研究室VOICE!

第二言語習得研究からみた英語学習

総合人間学系教室 講師 松田 紀子 Noriko MATSUDA

松田 紀子

第二言語習得研究からみた英語学習
工学部 総合人間学系教室 講師 松田 紀子

私の研究分野は応用言語学に属します。応用言語学の分野は多岐にわたりますが、簡単にいうと言語の獲得、習得や教育を研究対象とする学問です。私の場合は第二言語習得研究が専門で、日本人英語学習者の言語行動の分析から原理や規則を見つけ、母語ではない英語(第二言語)を日本人がどのように習得するのかを知ろうとしています。研究の成果からより効率的な学習方法等を探り、英語教育に生かすのが目標です。
ところで、皆さんは2016年リオで開催されたオリンピックやパラリンピックをご覧になりましたか?私はトップアスリートの皆さんのパフォーマンスの素晴らしさに感動するあまり、夜中であることも忘れて大きな声をあげてしまったこともしばしばでした。(ご近所の皆さん、お詫び申し上げます。)なぜ突然アスリートの話が出てくるのかといいますと、実は言語習得はスポーツの技術習得と似た習得過程を経るといわれているからです。スポーツ選手は練習を積み重ねて自動的、無意識的にプレーできるようになっていきます。諸説ありますが、第二言語習得においても、学習を積み重ねることでこのような変化が起こるといわれています。学習が進むと、注意や集中力等(認知資源という人もいます)を過度に割かなくても無意識的にできることが多くなるため、言語情報の取捨選択を効率的にできるようになるということです。では、このような状態に到達するには、どのくらいの学習の積み重ねが必要なのでしょうか?
第二言語習得研究の中では、多くの実証研究によって通算の学習時間と習熟レベルに強い相関があることが知られています。例えば、カナダのイマージョン・プログラム1のデータによれば、ある程度の会話ができ、テレビやラジオを理解でき、新聞や本を読めるという中級レベルで2,100時間の授業を受ける必要があるそうです。皆さんが受けてきた英語の授業時間数は通算どのくらいでしょうか?圧倒的に時間が不足していませんか?ましてや、日本語と英語は英語とフランス語に比べて言語的距離が大きいため、実際にはより多くの時間が必要だと考えられます。大学でも英語の授業が必要であることを実感できる数値ではないでしょうか。
大学に入ると、多くの方が専門分野の勉強をする上で英語が必要であることを強く認識されると思います。入学後、英語の学習方法等について知りたいこと、疑問に思うことがあればぜひ声をかけてください。一緒に考える機会を楽しみにしています。


1 第二言語(ここではフランス語)で様々な教科を教えるプログラムのこと。


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