藤森 啓一 准教授の研究内容を紹介します!

       「化学の光で、はかろう環境汚染物質」


 現在の環境汚染を引き起こす物質は、水俣病やイタイイタイ病の原因となるような水銀やカドミと少し性質が違います。例えば、現在一番問題になっている水質汚染は、家庭から出される汚水に含まれる有機物や窒素・リンが原因です。これらの物質は、そのものが毒ではありませんが、大量に環境中に放流されると悪臭や赤潮などの水質悪化を引き起こします。しかし、これらの物質は、元々は臭いもしなければ、味もしない上に、色もありません。特に窒素・リンは驚く程低い濃度で水質を悪化させます。
  環境を守るためには、これらの物質を測定し、対策を講じる必要があります。それでは、どのようにはかるのでしょうか?

 蛍が、求愛行動のために光ることは、良く知られています。この光は熱を伴わず、光だけを生じる化学反応によって起こっています。このような光を化学発光といいます。私の研究は、この化学発光を利用して、環境汚染物質を測定するというものです。環境汚染物質の濃度が異なる試料によって化学発光の強さが変わると言うことです。簡単に言うと、左下図のように、環境汚染物質が存在するとその量を分子が光を出すことで教えてくれるのです。
 多くの場合には、残念ながら目には見える程光りません。そのため、右下図に示してある化学発光装置というものを使って、光の強さを測定しています。

       



【 略歴 】
1994年甲南大学理学部卒業
1996年大阪府立大学大学院工学研究科博士前期課程修了
1999年   〃 後期課程修了,博士(工学)の学位取得
1999年大阪工業大学工学応用化学科 助手
2002年   〃   講師
2008年   〃   准教授
現在に至る


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