円柱周りの流れ

完全流体(非粘性流体) の渦無し流れにおいて円柱周りの流れは図のようになります。

流れは左から右へ流れています。 定常流です。
図中の白い線が 流線 黒い線が等ポテンシャル線を表します。円柱の周りの色は圧力を示します。
図の右側にあるように 青が低圧部, 赤が高圧部を表しています。

しかし, これは実際の流れとは異なります。 実際の流れでは粘性の影響で円柱の背後に渦が出来るからです。
このような渦を無視できない流れに対して, 完全流体の理論を適用することは信用できない結果を生んでしまいます。



段落ち流れと管路の縮流

この図は川の流れの中で50cmほど段落ちがあった場合に起きる流れの様子を完全流体の渦無し流れとして,
解析したものです。この流れも実際には渦の影響があるはずですが, 解析結果はそれらしい値を示します。

こちらはパイプの中で管路の直径が半分になったときの流れを調べたものです。管路の上半分だけを描いています。
上下を逆さまにすると先の段落ち流れと似ていますが, 段落ち流れの水面付近の流線の形状が
縮流の場合と違っています。

これは川の流れは水面という境界であって, 管路の場合は中央部で上下対称な流れになるからです。
つまり境界条件の差が現れています。


翼の周りの流れ

飛行機が一定の速度で静止した空気中を水平の飛んでいるとき , 翼の周りの流れは 水平で一様な空気の流れの中に翼が固定されているときと 同じ流れであると考えられます。

翼がの前方側が水平から2度下側につんのめったような場合の流れです。翼はグレーで描かれています。
翼の中央付近の黒いポツは翼の重心 (翼の内部が均一だと仮定して) の位置を示してます。

翼が水平に置かれている場合の流れです。翼の中から出ている矢印は翼に働く 空気による力の大きさと方向を表します。

翼の傾き(Angole of Attack) が大きくなるにつれて 上向きの力 ( 揚力 ) が大きくなります。
この揚力が飛行機が浮んでいられる理由です。