大阪工業大学 工学部 都市デザイン工学科

構造工学研究室

「細い針金を道具を使わずに,半分の長さにして下さい」とお願いされたら,諸君らはどのように行動しますか?
例えばつぎのことが考えられます.

 1. 針金をちぎるように引っぱる.
 2. 下に曲げたり,上に曲げたりを繰り返して,針金を折る.
 3. 黙って,ペンチやニッパーなどの道具を使って,針金を切る.
 4. 無理だとあきらめる.
 
 4の行動は論外です.「針金を半分にする」との熱意で,何らかの工夫をするのが工学の基本的な姿勢と言えます.
 1〜3はそれぞれ力学的に重要な意味を表しています.
 1では,針金に引っぱる力(引張力)を働かせて分断します,この現象を引張り破壊と言います.しかし針金を引張るときに大きな力が要るとともに針金が手に食い込み怪我をすることもあります.安全な方法ではありません.
 2では,針金を上下に曲げる操作(曲げモーメント)を繰り返して折る.この現象を疲労破壊と言います.繰り返す作業に手間が掛かりますが,安全な方法です.
 3では,ペンチやニッパーは針金を切る道具としてよく知られています.針金の長手方向と垂直に力(せん断力)を加えて切断する.この現象をせん断破壊と称します.安全な方法ですが,この方法は道具を用いていますので,問題の意の反しており,倫理的に不適格となります.
 以上のことを総合しますと,2の方法が正解となります.

 当研究室では,橋,地盤,トンネルなどの構造物に様々な力が作用して損傷・破壊するとき,構造物内にどのような力の伝達や流れが発生しているのかを数値解析と実験の両方から分析し、破壊現象とそれらへの対策方法を開拓しています.
 


 

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