メカトロニクス研究室 これまでに行っている研究内容


リニア誘導モータ(LIM)の吸引力を利用した浮上搬送装置に関する研究

リニア誘導モータ(LIM:Linear Induction Motor)を使った磁気浮上式の搬送装置の制御を行っています。通常の磁気浮上システムでは、浮上用の電磁石やコイルを使っていますが、この研究では磁気浮上用の電磁石を使わずに、リニア誘導モータから発生する吸引力を使って浮上制御を行います。また浮上だけでなく、同時に推進方向の制御も行い、システムの実現と制御を研究しています。

リニア誘導モータによる磁気浮上搬送システム 実験装置

マトリックスコンバータに関する研究

省エネルギー性と制御性の向上を目的にモータの駆動にインバータを用いるケースが増加している。 一般的なインバータで交流-交流変換を行う場合、交流から一度直流へ変換した後、 再び交流に変換しているため、直流リンク部分にインバータ容量と耐圧に応じたエネルギー貯蔵要素(電解コンデンサ)を用いることが多い。 電解コンデンサは温度変化に弱く、半導体素子に比べ体積も大きくなることから、 コンバータの小型化や過酷な温度環境下での導入を阻害する要素となっている。 そこで、エネルギー蓄積要素を必要としないで交流-交流直接を行うことができるマトリックスコンバータが注目されている。 本研究の目的は、マトリックスコンバータの電力変換効率改善を目指します。

     
マトリックスコンバータの回路図と実験機

高周波トランスおよび磁性材料に関する研究

複数の洋上ウィンドファーム(風力発電システムを複数基配置した発電所)から発電される電力を、 複数の洋上変電所で集電・直流変換して、複数の陸上変電所へ送電する多端子直流送電システムの開発を 目指しています。本研究室では、集電・直流変換するときに使用する高周波変圧器を含むSolid State Transformer (SSTR) に関わる技術、特に高周波変圧器について、高周波運転時の特性測定方法を検討や、鉄心の磁性材料の特性評価、 その構造などについて研究を行っています。

洋上風力(洋上ウィンドファーム)構成図 高周波変圧器を含むSolid State Transformer (SSTR)

磁気浮上に関する研究

可撓性を持つ薄鋼板など、磁界の吸引力を利用して磁気浮上させる研究を行っています。 薄い鋼板は重力によって撓みます。この薄い鋼板を電磁石を使って空中に浮上支持させると、 真ん中が撓んだ状態での磁気浮上となります。この研究では、薄鋼板に加振力を加え 鋼板自身を振るわせる事で給わずに水平に支持する制御方法を研究します。

鉄板の磁気浮上 実験装置

モータ制御に関する研究

誘導モータや同期モータを制御するためにベクトル制御の研究を行っています。 交流モータを制御する方法として、様々な方法がありますが、ここではベクトル制御と呼ばれる 方法を使い制御する研究を行います。さらに進んだ制御法としてセンサレスベクトル制御を応用します。

モータ駆動用インバータコンバータの研究

一般的にモータ駆動を行うときには、任意の周波数、任意の電圧あるいは電圧を発生することのできるインバ-タを使用します。インバータによって正弦波の電流を供給すれば、 モータの振動などを抑えることが出来るため、通常はフィルタを使いインバータから発生する高次高調波と呼ばれる成分を除去しています。この研究では今までフィルタで除去されていた高次高調波を積極的に利用する方法やインバータ回路を研究しています。また、モータの中性点を接続することにより新しい駆動方式を提案します。

従来の回路 モータの中性点を利用する提案回路(電源側にLが無く損失低減、小型化)

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