言語表現演習の誕生

『説明できなければ理解しているとはいわない』
 図解できるのは文章が理解できて、人に説明できることへの第一歩だ。何となく理解しているのは理解していないのと同じだ。
 自分に向かって書くのではないことを身につけるためには、まず理解したことを見知らぬ誰かに図示して、説明するところから始めるべきだ。
 他者に向かって開かれた説明が「言語表現演習」の中心にある。

『言語表現技術ハンドブック』(晃洋書房、2005年4月刊、定価1600円)ができるまで
1995年 前提
*工学部共通科目「人文社会入門」・「言語の世界」・「文学」など、講義を通じて学生の「書く技術」向上のための取り組みを始めた。
1996年 言語表現演習の開始
*「人文社会入門」において言語表現演習を開始(前・後期1回。説明文を書く演習)
 現在は、後期に1回だけ「専門外の相手に対して自分の専門学科について説明する」演習を実施している。
*「言語の世界」において言語表現演習を開始
  非常勤講師が演習問題を作成し、学内責任者が学生への配付資料を作成するなど「言語表現技術」の基になるものを少しずつ蓄積し、ハンドブックの原型を作り始め、現在に至る。
1998年 人文社会入門における指導の方向性
*1年次対象「人文社会入門」の教科書『人間 その総合的理解』に付録「言語表現技術について」を掲載し、「言語表現演習」の際に参照するよう指導した。
*演習問題は初め1題だったものが学生の反応を見ながら、2題4題と増えていった。同時に、技術的指導のための配付資料も数枚から10枚以上のものとなった。
2003年4月 知的財産学部 開学
2003年9月 大阪工業大学言語表現技術研究会編『言語表現技術ハンドブック』作成
* 知的財産学部基礎教育科目「言語表現法T」(1年次後期開講)で教科書として使用するために、1996年から蓄積してきた資料・演習を集成し、学内版として出版した(共著)。
2004年3月 『言語表現技術ハンドブック2004年版』 作成
* 2003年9月発行の『言語表現技術ハンドブック』をもとに「文章における事実と論理」「エントリーシートについて」などを増補した。
2004年4月 工学部において『言語表現技術ハンドブック』の使用開始
* 工学部共通科目「言語の世界」において、『言語表現技術ハンドブック』を教科書として使用した。専任1名・非常勤2名の計3名で、週に合計5コマ開講
* 初回から必ず出席すること、3回欠席した者は受講資格を喪失すること、演習重視とすることなど、基本方針を統一して指導にあたっている。
      専門科との連携模索
* 基礎化学演習V(前期)・応用化学演習T(後期)において、「言語技術の基礎」に関わる課題・演習を実施している。
2005年4月 晃洋書房より『言語表現技術ハンドブック』を刊行
参考 2005年度の体制
工学部(共通科目)
 1年次   人文社会入門
        全学科を対象として、言語表現技術入門指導を行う
 2年次以上 「言語の世界」月曜1・2限/水曜1・2限/木曜1・3限/金曜2限         計7コマ開講(専任2名・非常勤3名)
知的財産学部
 1年次 言語表現法T(前期)・言語表現法U(後期)
2年次 プレゼンテーション(前期)・ビジネスマナー(後期)

大阪工業大学言語表現技術研究会のホームページ
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