言語表現技術ハンドブック【提言】
『すべてを学ぶことはできない』 | |
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何もかも詰め込んだ文章の書き方はでない。 すべての文章に共通する基礎的な書き方はない。文学的な香りのする文章で、事実を説明するのは間違っている。 上手な文章というものはない。わかりやすい文章があるだけだ。わかりやすい文章は技術によって得られる。技術に関わらない文章は『言語表現技術ハンドブック』のめざすものではない。 |
言語表現技術への提言(全文) |
一 本書では、わかりやすく事実を説明する文を書くことを第一の目的とする。 二 感情表現や扇動やうわべの説得を目的とする言語表現は本書では扱わない。 三 感想文や思ったままを各作文も本書では扱わない。 四 説明する相手を尊重することが言語技術表現の第一歩である。 五 事実は一つしかない。しかし、説明の方法はたくさんある。 六 ただし、多くの説明のうちから相手になるべく負担をかけない説明の仕方にたどり着く技術が必要だ。 七 論理的な意見とは、事実の説明を十分につくした後に、述べるものだ。 八 言語表現技術は事実の十分な説明のために不可欠なものだ。 九 言語表現技術を習得するためには本書に書かれた原則を守ることが必要である。 十 言語表現技術は繰り返しの訓練によってのみ手に入れることができる。 十一 相手にわかりやすい文章を書くためには、各側の忍耐と手間暇がいる。 十二 自分に向かって文章を書くためには技術はいらない。見知らぬ他者に理解してもらうためにこそ言語表現技術が必要となる。 |
『言語表現技術ハンドブック』(晃洋書房刊)より |
大阪工業大学言語表現技術研究会のホームページ
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