国際交流・教育

国際的に開かれた知的財産教育

ワシントン大学ロースクールCASRIP研究

2008年度から米国ワシントン大学ロースクール(CASRIP: ワシントン大学先端知的財産研究センター)による夏期特許集中講座へ知的財産研究科2年生から院生を選抜の上派遣してきました。講座責任者は本学客員教授である竹中俊子教授であり、米国主要ロースクールの特許法担当教授のほか、著名米国弁護士、連邦巡回控訴裁判所判事等が講師を担当しています。受講者には、各国より弁理士、弁護士、特許庁審査官、裁判所判事、大手企業知的財産管理員等が参加しており、知財分野では世界的に高く評価されている講座です。2014年度は7月17日から8月1日の日程で開催され、本研究科より2名の院生を派遣しました。なお、本講座はすべて英語で提供されています。

知的財産研究科夏期集中講義

知的財産研究科では、院生を対象として2008年度より英語による夏期集中講義を提供しています。米国や欧州より著名な弁護士、弁理士、知的財産専門家を招き国際的な知的財産法制度や実務の状況を講義していただきます。その後、台湾の有名大学との交流が始まると、台湾からの院生や教員の参加が増え、また、科目等履修として一般にも開放されると大阪の著名な特許事務所等からの参加も増えました。本プログラムのハイライトは2010年より開始された参加各大学対抗の院生による英語プレゼン大会です。2014年は、史上初めて本学のチームが優勝しました。

台湾知的財産インターンシップ

本学では2013年度より、台湾の大学や特許事務所などへ学部生と院生を派遣し、大学における知的財産法の講義や特許事務所における実務を経験するインターンシッププログラムを提供しています。2014年度は約1ヶ月にわたり1名の学部生と2名の院生が台北の特許事務所と台北科技大学においてインターンシップを経験しました。

台湾春期知的財産研修

2011年度より、本学知的財産研究科の夏期集中講義に対応して台湾において春期知的財産研修が行われるようになりました。台北地区、台中地区、台南(高雄)地区の3大学を訪問し、知的財産に関する講義を英語で受けるとともに、地元の裁判所や特許庁、企業などを訪問します。プログラムの最後には、夏期と同様に参加各大学の院生による英語プレゼンテーション大会が開催されます。2014年度は本学より2名の院生がこのプログラムに参加し、プレゼンテーション大会でも健闘しました。

台湾5大学との連携

台湾の5大学と知的財産分野の連携協定を締結しており、この枠組みを通して毎年本学の夏期集中講座に台湾より20名~30名の院生を招いています。また、2010年度は本学の院生6名が台湾の国立雲林科学技術大学の夏期集中講座に参加しました。

春期台湾知的財産研修に参加して(2013年度M1:藤木 玲奈)

2014年3月5日から3月16日までの12日間、春期台湾知的財産研修に参加しました。 台湾の世新大学、雲林科技大学、高雄第一科技大学で行われる集中講義に参加したほか、本研修のハイライトである英語による知財プレゼン大会に出場しました。また、台湾智慧財産局、知的財産裁判所、弁理士事務所などを訪問する機会もありました。

講義の様子

英語による知財プレゼン大会は、高雄第一科技大学で行われ、参加チームは私たちを含め6チームでした。発表15分、質疑応答10分をすべて英語で行い、6名の審査員によって採点されます。私たちOITチームは、音や動き、においといった新しいタイプの商標について、各国の法制度の比較と導入に対する考察をプレゼンしました。毎日の集中講義が終わって宿泊施設に戻ると、チームで意見を出し合いながらプレゼン作成を行い、各自自分の発表する担当部分について練習を重ねました。本番では練習の成果を発揮することができ、また審査員からはプレゼンの内容について具体的に踏み込んだ説明などを求められましたが、事前に想定問答も検討していたため、的確に答えることができました。その結果、OITチームは6チーム中2位入賞を果たしました。

プレゼン大会の様子

集中講義では、FRAND特許に関する事柄や商標権侵害についての講義等を受け、国際的に問題となっている知的財産への理解がより深まりました。特に印象的だったのは、雲林科技大学において、再生医療に特許権を付与するべきかという問題について議論を行ったことです。日本においても再生医療は注目されていますが、この問題は今後世界市場に与える影響も大きいので、台湾の学生と意見交換ができたことは貴重な経験となりました。

本研修を終え、国際人として世界に羽ばたくためには、主に3つの要素が必要だと実感しました。 第一に、コミュニケーションツールとして英語力のスキルを向上することがあります。英語で自分の意見をうまく伝えることのできないもどかしさは、これからの英語を勉強する励みになりました。第二に、将来知財の分野でグローバルに活躍するためには、国内の知的財産に関する諸問題だけでなく、国際的な潮流やこれからの展望についてもフォローアップしていかないといけないと思いました。第三に、国際交流の機会にもっと積極的に参加するチャレンジ精神が必要です。本大学は台湾研修の他にも、国際交流リサーチアシスタントや海外でのインターン制度、CASRIPなど、グローバルを体感する機会が多く設けられています。これらの機会に「まずやってみる」の気持ちで飛び込んでいくことで、普段の生活では得られない多くの気づきを感じられると思います。

留学支援制度

大阪工業大学では、グローバル化に対応する人材育成を目的として、大学院進学者の留学支援が進められています。単なる語学留学ではなく、海外の大学の正課授業の出席、海外の企業や研究所へのインターンシップなどを目的として、大学のサポートのもと留学が可能となっています。
この制度を利用し、知的財産研究科の1年生(1名)、早期進学で大学院進学予定の学部3年生(1名)が、台湾の特許事務所である惠爾智國際專利商標事務所でのインターンシップ、國立高雄第一科技大學の講義に、2013年10月13日~11月9日の28日間の日程で参加されました。
國立高雄第一科技大學では、「リーガルイングリッシュ」という授業に参加され、惠爾智國際專利商標事務所では、台湾の知的財産制度にかかわる実務を経験されました。
下記に参加されたお二人の感想を紹介します。

河崎 有美さん(知的財産研究科1年生:2013年度)
お世話いただいた先生方と

高雄第一科技大學での講義で行った英語プレゼンテーションは、準備がかなり大変でしたが、教員からの指示に従えば、うまく作成できるように授業が組まれていました。具体的な発表までの流れは、1週間前までに判決文を読み、要約を作成してクラスメイトに配布します。そして、発表前にクラスメイト全員から質問が送られてくるので、それに回答しながら自分の発表スライドを仕上げていきます。

台湾智慧財産局での講義

当日は、先生からわかりやすい解説があり、皆の理解が深まった後で発表へと移るので、比較的リラックスした気持ちで発表することができました。質疑応答が一番大変なのですが、事前の準備のおかげで、自信を持って臨むことができました。
惠爾智國際專利商標事務所では、台湾と日本の知的財産制度の違いについて議論させていただき、国外の制度を学ぶだけでなく、より自国の知財制度を理解するきっかけにもなりました。この留学で、非常に貴重な体験をさせていただき、多くの勉強をさせていただきました。
また、事前に台湾の方々は日本人にとても優しいと聞いていたのですが、予想をはるかに上回っていました。留学中は、観光を含め、いろいろと優しくしていただき、非常に感謝しています。また、英語がわかればOKということで参加したのですが、中国語を少しでもいいから学んでおけばよかったと思いました。事前に中国語を少し学んでから参加する方が、もっとコミュニケーションがとれ、充実した留学生活が送れると思います。

山脇 佑介くん(知的財産学部3年より早期進学予定:2013年度)
お世話になった特許事務所の方々

今回の留学は、あえて困難な環境に身を置くことによって、自身を成長させたいという気持ちで参加しました。この28日間は、全てが新鮮で、海外で初めての一人暮らし、初めての英文メール、初めての英語プレゼン…、さらに、日本とは異なる文化、言語、宗教、慣習などに触れ、留学中の生活は、私にとって大変刺激的な日々でした。
私は、今回の留学経験で国外の知的財産制度など多くのことを学びましたが、最も私が今回の留学で学んだと言えるのは「人との繋がりの大切さ」と「チャレンジ精神を失わない気持ち」です。
留学中の課題は、私にとってすべてが困難で、何度も行き詰り、トラブルも起きてしまいました。しかし、その度に先生やクラスメイトに励まされ、助けられました。このように多くの人の助けを借りて、いくつもの課題を達成し、困難を乗り越えることができたことは貴重な経験です。
困難な課題に対して「自分にはできない」と逃げていては、いつまでも解決できません。人の助けを借りて、失敗を繰り返しながらでも、前に進むことで自分が成長できましたし、課題を達成できたことは大きな自信につながりました。
私は、来年度から知的財産専門職大学院に進学します。この経験を活かし、院生間でのコミュニケーションを密にとり、お互いに切磋琢磨しながら成長したいと思います。

JICA/WIPO研修生の受入

2008年よりJICA経由でメキシコから知的財産専門家を毎年数名受け入れ、本学教員による英語講義の提供や、日本とメキシコの知的財産制度や実務に関する比較研究の指導を行ってきました。その一環として日本の特許庁、知的財産高等裁判所の訪問、研究テーマに応じた企業や事務所などへの訪問の機会なども提供しています。本学の院生もRA(リサーチアシスタント)として、研修生の研究を支援する過程で英語によるコミュニケーション力や研究能力の向上をはかることができます。2014年度もメキシコから2名の研修生を受け入れ、延べ17名のRAが活躍しました。

2016年からは、WIPOからの研修生も受け入れています。
2017年7月18日に、JICA/WIPOの研修生が知財高裁を訪問し、知財高裁のウェブサイトで紹介されました。
知財高裁の紹介ページ
RAのコメント(2013年度RAの統括マネージャー)
井戸家ゆかりさん

私は英語を話すのが得意ではなく苦手意識もありましたが、グローバルな視野を広げ、英語力を養うためにRAに参加しました。最初は慣れない英語と異なる文化の考え方に戸惑いもありましたが、JICA研修生の要望を聞き、それに精一杯応えていきました。
コミュニケーションにおいては語学力ではなく熱意が大事であることが身に染みて感じました。今では英語に対する苦手意識もなくなり、知財専門英語の読解力も身に付きました。知的財産の世界は英語が重要なため、将来はこの経験を活かしていきたいです。

米国知的財産インターンシップ

サンフランシスコ/シリコンバレーでの知的財産インターンシップ・プログラムを実施しています。2016年度は,サンタクララ大学ロースクール,シスコシステムズ,テスラモーターズ,モリソン・フォースター弁護士事務所などを訪問しました。

2016年度参加報告