大学の商標管理・活用について

知的財産研究科修了生

本研究では、大学・産学連携をめぐる商標の管理・活用について、国立大学と私立大学を対象とし、大学の商標出願状況の把握、大学の商標に関する規程の調査、商標の活用事例の調査を行った。産学連携において使用される商標は、大学を表示する商標、教員や学生が行った研究成果に関して商標を取得した成果商標、産学連携における研究成果について共同出願で商標を取得した成果商標の3つであると考えた。これらの商標について、全体でみると出願数が10件に満たない大学が全体の約5割を占め、企業との共同出願も全体の1割程度しかされておらず、商標を管理・活用する大学の規程の整備状況が十分ではないこともわかった。この現状への対応として、大学側が研究成果に商標を付与してブランド化を図る体制と担当部署の明確化とガイドラインの作成が必要になると考えられる。