クラウドセキュリティ技術分野の知的財産戦略に関する研究 -NTTグループへのビジネス提言-

有田 仁

 本研究はクラウド・コンピューティングで重要なセキュリティ分野に着目し、NTTグループ中期経営戦略の目標達成に向けた提言を目的とした。これはAmazon.com、IBM、Microsoftとの4社比較分析を通じ、日本クラウドセキュリティアライアンス等の標準化関連団体へのフィールド調査を含む、四位一体(知財戦略、標準化戦略、研究開発戦略、事業戦略)の考察に基づくものである。研究の結果、本分野では保有特許の多寡は必ずしも収益に寄与せず、第三者認証評価取得(社内標準策定)による利用者の信頼担保も有効であること、また通信事業者の強みを生かしたクラウドブローカーの役割が今後有望であることを示した。