連載漫画のキャラクターの著作物性と著作権侵害の対象

西井 誠司

近年のキャラクターは、様々なコンテンツの拡充や、人気キャラクターやデザイナー、作家とのコラボレーションによって新たな切り口でキャラクターが描かれることで、その魅力を高め、新たな顧客を獲得し、日本におけるキャラクターは日本の経済活動に貢献しており、日本を代表するビジネスモデルとなっている。その一方で、日本にはキャラクター自体を直接保護する法律はなく、予想される侵害態様や存続期間等を考慮して、既存の法律による保護がなされているのが現状である。本稿では、キャラクターを外観(色彩、形状)で保護する著作権において、「漫画」のキャラクターについて裁判例や学説を基に、その著作物性や侵害を検討していく。