インクジェットプリンタにおけるインクカートリッジ特許権消尽問題とその課題

飯山 将臣

インクカートリッジをはじめとした消耗品におけるリサイクル産業が最近注目されている。この背後には、使用済み品を再生して販売するリサイクル品の特許権消尽問題が国内外で起きている。本研究では、キヤノン社インクタンク特許権消尽判決における評価と今後の課題を述べるとともに、インクカートリッジをはじめとした自動車やデジタル家電製品などといった一つの商品に多くの改良技術を含んだ蓄積型技術における特許権消尽問題の本質的課題について言及する。さらには、所有権方式(差止め請求)や賠償請求方式などといった今までの特許権消尽の解決方法にはない新しい解決アプローチを試論として述べる。