特許権者とリサイクル業界間の課題とその解決策 ―独占禁止法の立場からの考察―

岡 健

近頃、新聞をはじめとした情報媒体に、環境技術に関連したものを目にする。 しかし、これらは、ユーザー側の使用、利用の役割を終えた後のことまで明確に考慮されているとは言い難い。 現に、商品等に関して特許権等の知的財産権が付与されている場合、権利者は、商品等のリサイクルを図ろうとする相手方の行為の態様によっては、訴え等の法的措置に踏み切るケースもある。 本研究は、その請求が認められた場合であっても、独占禁止法の法的観点から、特許権者とリサイクル業界における課題とその解決策を考察することで、双方の競争の機会を確保しようとするものであり、本国が真の環境大国であると世界に主張するためにも意義あるものである。