日本におけるキャラクター保護についての研究 ―著作権法における保護可能性について―

知的財産研究科修了生

 本論文では、キャラクターという言葉を、「登場人物(あるいあそれに付随する小道具)を構成する要素(名前・体格・容姿・役割等)」と定義する。そのうえで、文字のみで表現されたフィクショナル・キャラクター、物語上で図柄を伴って表現されたファンシフル・キャラクター、商品化や広報を目的として図柄を伴って表現されたマスコット・キャラクターに分類し、現行の著作権法、商標法、意匠法によるキャラクターの保護、特にファンシフル・キャラクターについて、判例や現状を参考に検討と比較を行っていく。著作権法による現在のキャラクターの保護は、ポパイ事件判決に則り、原則としてキャラクターの図柄についてのみその著作物性を認めており、キャラクターの図柄以外の構成要素については保護対象外である。しかし、ポパイ商標侵害の判示から、ファンシフル・キャラクターについては、「一定の周知・著名性を有することを前提として、キャラクターは著作物」との論理づけに可能性を見出すことができた。