不正競争防止法の改正により新設された「限定提供データ」についての考察 ~価値あるデータ保護法制度の検討~

王 璐瑤

AIやIoT技術が進展してきた背景に、企業の競争力の源泉として、データに高い価値が存在することが認識され、各国が適切なデータ保護方法について課題として検討するようになっていることが挙げられる。日本ては、2018年、不正競争防止法の改正により、「限定提供データ」が定義され、その不正取得・使用行為について規制条文が新設された。本稿では、「限定提供データ」の保護制度や価値あるデータ保護についてありうる法的な手段に関する検討を行うとともに、海外における関連法制度からみた日本の不正競争防止法の改正規定の意義を考察した。日本における価値あるデータの保護法について、関心諸国に対して知見や経験を提供する。