周知商標の広義の混同

山下 絵理華

Confusion in a Broad Sense of a Well-known Trademark

本論文は、周知商標の広義の混同からの保護に関する。商標権の保護範囲には該当しないが混同のおそれのある表示(「広義の混同」)からの保護は、主に不正競争防止法第二条1項1号で行われており、本論文では広義の混同を熱かった判決をいくつか分析している。他方、防護標章制度は広義の混同からの保護のためにはあまり利用されていない。その理由は、防護標章登録の保護範囲は類似商標の範囲までは及ばず、不正競争防止法二条一項一号の方が保護範囲が広いためである。しかし、防護標章登録制度は、著名表示であることを立証するために利用されることがある。