同人活動におけるキャラクターの二次創作を促進する契約システムの提言

劉 司晨

本論文は、同人活動におけるキャラクターの二次創作を促進する契約システムを提言しようとするものである。クールジャパン政策をはじめ、日本のコンテンツの国際展開が重要視されているなか、日本の現行法では、著作権、商標権、意匠権、不正競争のいずれの観点からも、キャラクターの創作者と二次創作を行う者の両者が納得しうる解決法を見いだせずにいる。本論文は、現行法の限界、キャラクター権や「版権」という主張の限界を明らかにしたうえで、コンテンツ流通をめぐる現行法の限界を解決しようとして提案されているクリエイティブコモンズ、コピーマートといった他の取り組みも具体的に検討し、新たな契約システムを提言した。