円滑な審査と強い権利取得を目指した外国特許の日英改善提案
~AI時代の知財担当者・日英特許翻訳者の役割を探る~

中山 裕木子

米国をはじめとした外国出願では、審査が円滑に進み、適切に権利行使できる高品質な英文明細書の作成が望まれる。しかし、元になる日本語の難解さと英訳の難しさにより、翻訳文が読みづらく、審査で拒絶されたり、権利行使が妨げられたりすることがある。昨今のAI(人工知能)機械翻訳技術向上により、いよいよ特許翻訳が自動化できるかの議論が生じる中、「目指すべき英文明細書」を定義することが急務である。本論文では、上記を定義すると共に、日英の違いに基づき、翻訳しやすい日本語にするための方法、また翻訳後の英文を改善する方法を提示し、人・機械のいずれでも良好な翻訳文を得る改善提案と今後の外国出願工程改善の示唆を行う。