電機制御方法の発明の進歩性について

田村 尚子

本事案の発明は、インバータを介してモータを動かす方法に関する。モータをある速さで負荷をかけて回転させようとすると、安定稼動までに様々な工夫が必要となる。 本事案のモータは、同じ波形が3相重なった電流や電圧で回転させるものである。このような特殊な電機の制御方法、すなわち「方法」の発明であり、かつ機能的表現の発明特定事項を含む場合の想到容易性について、現実にはどのように判断されているのかを、無効2006−80260号事件およびその審決取消訴訟を取り上げて分析した。あわせて、本件特許に基づく特許権侵害訴訟での有効性判断での発明の効果の評価について触れた。