ソフトウェア特許の問題点

谷川 智秀

コンピュータは、特定の機能を実現する装置を制御するだけでなく、今日では、物理的な現象もコンピュータ内でシミュレーションできるようになり、様々な産業分野においてもコンピュータの利用分野はますます広がっている。ソフトウェアは、財産的価値が高まる一方で、法的対応・保護に関して国際的な不整合・相互矛盾が顕在化している。各国の対応においてこれらの問題については未だ統一的な見解がなされているわけではない。そこで、本稿では、日欧米をはじめとする各国間での相違を分析し、ソフトウェアに係る発明について、効果的な権利取得のために特許クレームのドラフトに際し、権利化を図るうえで実務上最も留意すべき事項を検討する。