空間デザインに関する仮想空間と現実世界における知的財産保護の検討

知的財産研究科修了生

現実における空間デザインの保護については近年の意匠法や商標法の改正により各権利を取得することができる。また、不正競争防止法や著作権法による空間デザインの模倣へ対応することも可能である。仮想世界の空間デザインの保護については各法律で可能であるが、意匠法ではコンテンツにおける画像意匠での保護が認められておらず、商標法では電子プログラム内の一部について取引がなされている場合に保護が可能かどうかは議論の余地があるなど仮想空間上の空間デザインの保護については万全な状態ではない。現実世界と仮想空間のそれぞれを行き来する空間デザインの模倣行為については、見た目について同じであっても意匠法の物品や商標法の商品役務が異なるため、意匠法、商標法において侵害は成立しない。これらの解決策として意匠法と商標法において解釈を広げ、商標法を中心として各法律によって侵害に対応できるよう提言を行った。