環境技術の途上国への技術移転と知的財産権に関する研究

知的財産研究科修了生

本論文の目的は先進国から途上国への環境技術の技術移転について、知的財産の観点から研究し、国際条約の枠組を提言することである。まず、途上国6か国の経済成長度と環境技術の特許出願数の調査を手がかりに、技術移転のための課題を抽出した。その中で、世界的に拡張可能なルールであること、途上国に既に存在する環境技術に関する特許の取り扱い方法を決めること、その国の経済成長の度合いと環境技術の開発状況に見合った技術移転方法であることという課題について、既存の技術移転の方法では解決できない。そのため、WIPOの下部組織に世界環境問題解決枠組条約の運営組織体を設置し、7つの基本理念を「憲章」にまとめることを提言した。