技術的ノウハウの営業秘密該当性
―不正競争防止法2条6項による技術上の営業秘密該当性の判断について―

山田 哲志

 わが国で技術情報の不正流出が問題となっているが、当該技術情報とは技術的ノウハウのことである。当該技術的ノウハウは企業によって秘匿・管理されている技術情報であり、裁判上で審理の対象となるときは、不正競争防止法2条6項の営業秘密該当性が問題となることが多い。同法2条6項の要件は@秘密管理性、A非公知性、B有用性であり、このうち秘密管理性の基準については『営業秘密管理指針』に詳細に定められている。
 同法2条6項の営業秘密該当性3要件は、技術的ノウハウが問題となった裁判例の中でいかに機能しているか。当該規定がいかに機能しているかを制度上或いは解釈上の問題点や裁判例の判断基準等につき検討する。