包装資材業界における知的財産について ~製紙業界におけるセルロースナノファイバーに関する特許の比較を中心に~

知的財産研究科修了生

近年の脱プラスチック化の影響で、プラスチックを削減する動きとともに、プラスチックの代替素材として紙が注目されている。本論文では、包装資材業界に限定した上で、最先端のバイオマス素材「セルロースナノファイバー」に関する王子HDと大王製紙の特許を比較調査した。その結果、王子HDは基礎的な研究に関する特許に力を入れていることが分かった。一方で、大王製紙では基礎的な研究に関する特許も相当数あるが、人体に使用するシートなど具体的な用途が明記された商品化に近い応用段階の出願が多いことが分かった。また、王子HDでは特許の全件が製造方法に関する特許であるのに対し、大王製紙では、製造方法及び製造装置に関する特許(製造装置のみを含む)があった。