AIの創作物と著作権の考察

松本 勇輝

本論文は、小説などの著作物に相当するAIの創り出したもの(以下、AIの創作物という)に著作権保護を認めることを狙いとしたものである。AIの創作物は思想又は感情を創作的に表現したものではないため、現行著作権法では保護できない。そのことにより、将来的に著作権保護されているような外観を有する創作物が爆発的に増えてAIの創作物の利用者の混乱を来すおそれがある。本論文は、著作権法を改正することを提案するもので、AIの創作物を「AI著作物」、権利者を「AI利用者」と新たに定義し、AIの創作物は登録により権利が発生し、全てのAIの創作物に共通の標章又は音声を表示することで保護を認める条文を新設した。