職務発明における外国特許権の日本法適用について

知的財産研究科修了生

2016年の特許法35条改正により、職務発明に関する特許を受ける権利を原始的に法人帰属することが可能となるが、外国の特許を受ける権利については依然として問題となる。本研究では、日立製作所事件と学説を分析し、グローバル化が進む今日の日本企業への提言を試みた。外国特許を受ける権利の相当対価請求権の有無及び金額に関する準拠法決定の問題については、外国での特許を受ける権利の扱いは各企業における使用者と従業者間の契約に委ねられることを原則として、我が国の特許法を類推適用し得ると考えられる。加えて、使用者と従業者間の契約に関して譲渡証書を作成し、職務発明について従業者からの意見聴取の機会を設けることが重要である。