特許から見たチタン酸バリウムの技術動向 -MLCCに関わる研究開発への考察-

知的財産研究科修了生

積層セラミックコンデンサという電子部品の誘電材料として多用されるチタン酸バリウム開発の領域で世界トップの日本において、技術内容を把握し、製造技術の特長を明らかにすることを目的とし、特許公開公報から日本メーカーの研究活動に関する客観的な情報を得た。結果として、メーカーは近年、乾式合成法である固相法に焦点を当てる傾向がある一方、外注先は近年、湿式合成法、特にシュウ酸法に着目する傾向がある。また、粒子ナノ化かつ高結晶や容易に凝集を起こすナノ粒子の分散技術、添加物をナノオーダーのチタン酸バリウムに均一に分散できること等がR&Dにおける重要な課題となっていくと考える。