著作権法における権利制限規定の問題点と対応策の検討

永田 勝哉

社会の実状に対応しつつ著作物等の保護と利用の適正なバランスを図ることこそ著作権法の趣旨・目的であるとの基本認識に立つならば、現行の権利制限規定には、様々な問題があると思われる。本稿では、このような権利制限規定の問題点とそれへの対応策について、関連する裁判例を含めて検討した上で、現行規定ではカバーできない利用行為に救済を与え得る補完的な一般条項を導入すべきとの見解を採る。