職務著作規定における公表名義要件の意義

小野 剛史

我が国特有の職務著作規定(著作権法15条)は、昨今、緩やかに解釈されるようになり、そのため、各要件、とりわけ公表名義要件の存在意義が問われている。本稿では、この公表名義要件の意義について、立法趣旨・目的をはじめ様々な観点から検討・検証した上で、私論として、この要件を削除しつつ、「別段の定め」の要件に関わる手続的規整の整備により創作者保護を図るべきとの立法論を提案する。