プロダクト・バイ・プロセス・クレームの取り扱いと今後について

渡邊 哲弥

請求項に製造方法を記載して「○○の方法により製造された物」とするプロダクト・バイ・プロセス・クレームの解釈につき、生成された物そのものに注目し、生成物が同じであれば同じ発明とする一体説と、その製造方法によって作られた物に限定する限定説、及び、近年判例で示された中間説が存在する。本論文では、検討の結果、発明は特許請求の範囲の記載にもとづいて定めるという大原則、及び、発明は創作された技術的思想であり、物が同じでも技術的思想が異なれば発明は違うことを理由に、限定説を原則とし、物の構造・特性等の特定が不能・困難な場合にのみ、発明保護の観点から、例外的に一体説的に解釈することが妥当との結論に至った。