日本企業における知的財産戦略
‐中国新幹線特許出願事件の考察‐

文野 光瑠

国内外で知的財産権の重要性が増し、知的財産により利益を得ていくという知財戦略を行う企業が増えている。その中で、川崎重工業株式会社が中国に高速鉄道の技術を提供し、その技術を改良した中国が特許出願をするという事件が起きた。川崎重工が中国にも知財の網をはっていればこのような事件は起こり得なかった。なぜ、知財対策を行っていなかったのか、戦略的に知財を用いていなかったのかと疑問に思い、本研究に取り組んだ。この研究では知的財産戦略を行っている企業の研究、川崎重工がどのように知財戦略を行うべきであったかを考察し、会社における事業部門、経営部門、知財部門が一体となって会社を動かすことの重要性を研究した。