民間伝承薬用植物由来成分の特許性に関する分析研究

知的財産研究科修了生

民間伝承薬用植物の特許性について、日本、欧州、米国の事例の分析研究を行った。今回検討した事例では、登録査定を受けた発明は、「用途発明」が多く、「物の発明」として抽出方法を限定した「プロダクツ・バイ・プロセス・クレーム」、「物を生産する方法の発明」が認められた。用途は、一部の発明に具体的にその効果が示されていない未完成発明と思われる発明が見受けられた。欧州事例は、特許性判断のための技術水準が、刊行物リストであるサーチレポートに記載されない、国外の口述も含めた証拠により認定され、米国事例ではサンスクリット文字で書かれた文献により後日特許が無効となった。国間の審査基準の同調が必要であると考えられた。