第四次産業革命で想定される知的財産権の役割と課題への対応案

楠本 幹男

 モノづくりが歴史的な転換点を迎えている。次世代のモノづくりとして第四次産業革命と呼ばれる施策が、ドイツ、米国などにおいて戦略的に進められていて、既に具体的なモノづくりのネットワーキング、スマート工場の設置などがボーダレスに展開中である。このようなモノづくりの転換に伴う知的財産制度およびその運用(「マネジメント」)の変更への対応方法は明確に規定され、また把握されていない。第四次産業革命と呼ばれる(Industrie 4.0」1)を参考事例として、ボーダレスに行われる企業活動がどの様な形態になっているか、起こり得る変革に対し知的財産制度と知的財産マネジメントに対する提言を考えた。