中堅企業における大企業との共同研究開発契約の起案・締結に関する一考察

石川 貴敏

近年、企業はビジネスの多様化に伴い、オープン・イノベーションやオープン&クローズド戦略といった経営戦略を推進している。このような状況下では、自社単独で研究開発を進めていくことは容易なことではないため、他者と共同研究開発を含むアライアンスを行って新製品の開発を目指すことは、市場において優位な立場でビジネスを行うことを可能とする一つの選択肢である。 本論文では製品の流れ(商流)が垂直関係にある「中堅企業」と「大企業」で締結される共同研究開発契約に焦点を当て、特に両当事者間で調整が難しい各条項について、「中堅企業」の立場での解決方法及び共同研究開発の目的を達成するためのポイントについて考察を行った。