匠の技の価値向上に関する知財からのアプローチ 〜伝統工芸に携わる職人の制作ノウハウの保護、活用〜

鈴木 祥太

現在、日本の産業を支えてきた「匠の技」による伝統工芸のモノづくりが淘汰さえようとしている。この現状に対応するために知的財産を活用することで、伝統工芸の生き残りと発展の方法を提案することがこの論文の目的である。 そのため、まず日本の現状についての調査を行い、伝統工芸の実態調査や伝統工芸の保護に利用できる現行の法制度の確認、他国との比較として南アフリカにおけるTK(伝統的知識)の保護・活用の方法とそのために行われた法改正の経緯の紹介を行う。 そして、それらの調査から判明した現行制度の問題点を分析し、登録要件の緩和を主とした知的財産法の改善方法について提案を行った。