金属熱処理技術および金属熱処理業の現状と今後 ~特許データにもとづく分析~

知的財産研究科修了生

 熱処理加工業は元請け・下請け・孫請けの多層構造をとり、中小企業ないし、零細企業がほとんどを占める業界となっており、その多くが顧客依存型産業となっている。そこで、高度な熱処理を必要とするものや小ロット品、短気納品の受注対応が必要になっている。そこで、「熱処理の受託加工」、「高周波誘導加熱装置の製造・販売」、「高強度鋼材製品」という製造から販売まで幅広く企業活動をしていて、誘導加熱の技術を基幹としている高周波熱錬(株)に着目した。特許データ及び金属加工統計調査、産業別統計表に基づく分析から、日本の特許出願全体の約0.3%が熱処理技術の出願であり、増減などの傾向も一致すること、金属熱処理技術はモノづくりの諸事業の中で一般機械用、輸送機械用と大きく関わっていること、高周波熱錬(株)は特許取得を積極的に行わなければならない企業であることなどがわかり、それらの調査に基づく今後の金属熱処理技術および金属熱処理業のあり方への提案を行った。