AI発明の出願上の留意点に関する研究

知的財産研究科修了生

本論文では、近年増加しているAI利用発明に着目し、AI生成物を生み出すまでの過程を学習段階、利用段階に分けて、それぞれの段階でどのような知的財産権と結びついているかを検討した。AI利用発明を特許出願する場合、他人の著作物の利用において注意すること、AI利用発明が発明として認められるために注意することを出願上の留意点とした。また、学習用データセットの種類や選択に工夫がある場合は、それを発明のポイントとして特許出願すれば、学習済みモデルの内部パラメータ等を開示せずに特許取得できる可能性がある。以上のことを検討したうえで、特許出願するのと秘匿するのと自社の事業にとってどちらが有利かを総合的に判断して決定することが重要である。