概要

Last update: <2017/03/01 18:17:03 +0900>
     ハプティックコントローラとは,力触覚(ハプティック)を人間に提示するための,ロボットアーム制御回路のことである.力触覚を提示する装置のことをハプティックディスプレイ,あるいはフォースディスプレイと呼ぶ.

    ハプティックコントローラの役割は,コンピュータから制御信号を受け取り,フォースディスプレイを動かすためにエネルギーを増幅するとともに,フォースディスプレイの状態をディジタル化し,コンピュータに取り込むというものである.図1.1にハプティックコントローラの接続図を示す.


    図1.1.ハプティックコントローラの接続図


     本研究室で使用しているフォースディスプレイの各軸にはDCモータとポテンショメータが配置されており,合計3軸ある.ポテンショメータは可変抵抗の一種であり,回転角度を電気信号に変換する役割を果たす.またモータは電気エネルギーを回転エネルギーに変換する働きがある.

     コントローラの役割はおおむね次の通りである.まず,ポテンショメータの電気信号がAD変換器を介してマイコンに取り込まれる.マイコンからPCに送信されたポテンショメータの情報は,角度情報に変換され,フォースディスプレイの姿勢が計算によって求められる.姿勢が求まったら,次に衝突判定などの情報処理がおこなわれ,フォースディスプレイに出力すべき力が計算される.計算結果はただちにマイコンに送信される.マイコンや制御基板では,与えられた指令値に基づいてモータへの出力信号を生成,増幅し,モータに出力する.この一連の処理は1秒間に数百回以上,繰り返される.この速度のことはサーボレートとも呼ばれ,速ければ速いほど精度の高い力の制御が可能となる.

     ところで,コンピュータからの信号から物体を動かすほどの仕事をさせるためには,どこかでエネルギーを増幅する必要がある.例えば,通常の論理回路は5Vで動作するけれど,モータに大きな力を出すにはより高い電圧・電流にしなければならない.そこで,商用電源AC100Vから定電圧電源を用いて直流24Vに降圧し,24Vでモータをドライブしている.また,マイコンなどの論理回路を5Vで動作させるため,DC-DCコンバータを利用し,24Vを5Vに降圧させている.



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