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平成22年度 補助事業の実績と成果

SE能力開発のためのスパイラル型情報教育では、文部科学省からの補助時事業として平成22年度に次の各点を実施し、それぞれ成果を挙げることができました。

自然科学系共通科目における可視化教育とモデル化能力の育成
【実績】 2011年度から新たに2年時配当の科目「視る自然科学」を設置しました。これは地球科学、生命科学、物理学、情報科学を横断する学際的な科目です。この科目において、岩石と微生物の観察実習にデジタルマイクロスコープ利用しました。これにより通常の顕微鏡では不可能な情報処理を行った画像の提示が可能になりました。

【成果】デジタルマイクロスコープの画像に対する印象は強かったようで、学生たちは積極的に観察を行いました。また、多様な質問が多数飛び交っていたことから、意欲的に実習に取り組む様子が確認できました。毎回のレポート課題では、イラストやデジタルカメラでの撮影画像等を添付しさまざまな工夫を凝らして説明するものが多数提出され、時間をかけた復習成果を見ることが出来ました。
情報生命科学と基礎スポーツ科学における取り組み
【実績】情報生命科学の講義において演示実験を多数実施しました。学生有志に被験者を勤めさせ、脳波や心電図信号をリアルタイムに記録し、表示をおこないました。またこれら信号の相関についても調査、研究をさせました。次に健康科学の演習として受講学生全員の歩行時の両足の足圧測定を行いました。得られた足圧のイメージングをコンピュータ上に表示し、歩行に伴う時間変化や圧力を可視化することで授業に応用しました。

【成果】抽象的な生体内での電気信号の伝達をコンピュータ操作で演示しました。この演示から、学生は改めて驚き、理解しようとする姿を見せました。コンピュータ内部での情報伝達と生体の情報処理とを比較でき、学生がコンピュータを理解する一助となったことが授業アンケートなどから確認できました。
基礎ゼミナールにおけるコミュニケーション能力や業務遂行能力の育成
【実績】初年度教育への効果的な導入を行うために、昨年同様指導教員向けにアニメーション作成の説明会を開催しました。そこでは、アニメーション制作について「技術面」「教育指導面」から見つめた内容で実施しました。 昨年度に比べて教員の熟達度が向上し、指導がスムースに行われることで明確な制作目標も学生に理解させることができました。また、学生の共同作業およびスケジュール管理に対する意識も昨年度より向上しました。

【成果】全般的に学生の製作への取り組みの集中度が高まり、作品の完成度も向上しました。制作された59本のアニメーション作品を大学祭で公開し、来場者へのアンケートも実施ました。アンケート結果は概ね好評で、「一つ一つの作品の質に驚いた」という声もありました。学生にとって実際に制作した作品に対しての意見を直接聞けることは意義があり、さらに意欲的に取り組む原動力となりました。
テクニカルライティングにおけるSEの初歩的能力の育成
【実績】外部講師2名による特別講演の他、KJ法を用いた地域資源のブランド力強化に関するグループ討論を実施しました。学生が抽出したブランド力強化対象は、家具団地、新しい家具の形態、七夕まつり、ふとん太鼓、枚方銘菓、枚方パーク、本学、樟葉周辺、枚方6大学などが挙げられ、これらについてのソリューションの提案とWebサイト作成を課題として実施しました。その結果は北大阪商工会議所の協力をいただき、外部評価者による講評を実施いただきました。

【成果】授業毎に提出されたレポートから、多くの学生の課題解決に向けた議論内容が深まり、論理性が向上する様が確認できました。また北大阪商工会議所の協力を得て実施した発表会では、学生の作品に対してすぐに使いたいという申し出も頂きました。予定を上回る成果を得ることが出来ました。
前期実施内容に関する自己評価と課題の抽出、教育プログラムの改善
【実績】基礎ゼミナールおよびテクニカルライティングなど、前期科目の実施状況について情報技術教育推進委員会で報告を行い、実施上の問題点と今後の対策等を検討しました。その結果について、平成22年度大学教育改革プログラム合同フォーラム(平成23年1月24日実施)の資料として盛込み、概要をまとめました。

【成果】 前年度は事業の開始時期等の事情もあり、科目開講の準備が主要な事業内容となりました。しかし、今年度は教育実施結果にもとづいた問題点の所在や改善策、評価に関する手法などについて具体的に把握・理解でき、次年度の実施に向けた対策等が明確になりました。
常設展示とセルフガイドツアー
【実績】3年次学生に対し、セルフガイドツアーのコンテンツ制作を全研究室のゼミ生対象で実施しました。コンテンツは理系学部に進学を考えている高校生を対象と想定し、ポスター1枚、およびPowerPointによる自動プレゼンテーション形式を採用しました。それぞれのメディアの特徴を活かし、また対象者に応じた説明をどのようにまとめさせるかについて教員が指導にあたりました。

【成果】各メディアの特性を理解しながら制作技法を体得するとともに、他の研究室ゼミ生が制作したコンテンツと比較でき、研究室が競い合うことで学生が相互に学び合う環境が形成されました。また情報ゼミナールでの学生間の議論を喚起し、提示すべきトピックの選択や比較を通じて専門分野を広く、また的確に把握する姿勢が情報ゼミ生に培われました。
大規模情報システムの開発参画機会の提供
【実績】24時間稼働のサーバー装置を導入し、仮想化技術を適用して多くの研究室学生が各々独立してシステム開発に取り組むことができる環境を整えました。学内情報ナビゲーションシステムのブラッシュアップを統一テーマとし、7つの研究室が合同でシステム開発に取り組みました。研究室ごとに開発モジュールを分担したため、定期的に開く代表者会議を学生らが組織することで開発者間の意思疎通を図りました。

【成果】多人数で実施するシステム開発において、意思疎通や合意形成の方法について深く考える機会を情報ゼミ生に提供できました。特に研究室を超えたチームで開発することにより、プロジェクトマネージメントの重要性を十分認識させることができました。また実用に耐えるシステム運用を並行して担当させ、開発するシステムの動作と提示コンテンツの編集に対する責任感を培うことができました。
特別講義及び卒業研究への外部講師の招聘
【実績】特別講義の講師として、企業や大学から14名の講師を招聘し、情報科学に関する先端技術や産業技術、技術者のあり方まで広く講演いただきました。また前年度に引き続き、2月に企業、研究所などから8名を招聘し、卒業研究発表会の場において講演頂きました。

【成果】特別講義での招聘講演では、組み込み系・エンタープライズ系それぞれについてシステム開発の現場から見た問題点の発見方法、解決の糸口を探る方法などといった内容で講演頂きました。モデル化能力や論理的思考能力の必要性とその適用事例を紹介いただき、学生に有益な示唆を与えることができました。 また卒業研究発表会では、通常の研究発表会だけでは経験できない有意義な質疑応答の機会を卒業研究生や情報ゼミ生に提供できました。
研究室発表会の実施とその調査・報告
【実績】1年次の学生を対象に、大学祭期間中に実施される全研究室の研究内容展示ブースを複数選択させ、訪問調査させました。調査では展示説明者から必要な情報を聞き出して展示内容をできるだけ平易にまとめる部分と、説明内容も含めた当該展示全体についての評価の部分に分けて報告書を作成させました。

【成果】限られた時間内に複数の展示ブースを訪問し、説明者とのコミュニケーションを通じて展示の趣旨を把握・評価して報告書にまとめることで、業務遂行能力の育成に多少とも寄与できました。また内容をできるだけ平易に文章化する課題を意識させ、受け身の見学にとどまらない意識付けとプレゼンテーション能力の形成を促すことができました。
卒業研究の公開発表会と外部講師の招聘
【実績】2011年2月21日に卒業研究公開発表会を実施し、卒業研究生の一部にポスターセッション形式で卒業研究を発表させました。地元商工会議所の会員企業様にも参加を依頼し、多数の学外社会人に聴講いただきました。

【成果】研究分野について詳しくない相手を対象とたディスカッション形式で、自身の研究内容をわかりやすく発表することの難しさを学生に実感させることができました。また通常の学会発表形式とは異なる場面でのプレゼンテーション能力を養うことができました。
後期実施内容に関する自己評価と課題の抽出、教育プログラムの改善
【実績】視る自然科学、卒業研究、特別講義、セルフガイドツアーなど、後期に実施した諸科目の実施内容を情報技術教育推進委員会で報告し、問題点や評価方法等を検討しました。その検討結果の概要をまとめ、平成22年度大学教育改革プログラム合同フォーラム(平成23年1月24日実施)で公開・説明しました。また検討結果に基づき、授業シラバスを改訂しました。

【成果】後期の諸科目の実施内容にもとづき、問題点の所在やその改善策、ならびに評価手法などについて具体的に把握・理解することが可能となりました。これにより、次年度の事業実施に向けた対策等を明確にすることができました。また前後期に実施した結果を踏まえ、モデル化能力、デザイン能力、業務遂行能力の諸能力の育成に関する教育を敷衍することができました。
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