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就職内定率グラフの読みかた

受験雑誌や週刊誌などで頻繁に取り上げられているように、大学卒業者の就職率は在学生や受験生にとってたいへん大きな関心事です。ここでは本学情報科学部について、就職内定率グラフから何が読み取れるのかを紹介いたします。

就職内定率とは

理工系の学問を学ぶ大学生の就職活動は、卒業の1年以上前から始まります。大学3年生の秋学期から本格的に志望企業の絞込みを始め、志望動機の明確化や将来自分が何をしたいのかを確かめてゆく「自己発見」のプロセスを経て、1月〜2月ごろから採用を予定している企業に「エントリー」する作業が始まります。その後、筆記テストと複数回の面接テストを経て「内定」に至ります。

内定は、その学生が大学を無事卒業することを条件として企業が採用の約束をする行為です。選考作業が早い企業では4月ごろには翌年4月からの新入社員の内定を出してしまいます。本学情報科学部の学生が多く就職する情報機器製造業や情報サービス産業では、多くの企業が4月から7月ごろにかけて順次最終選考を実施し、内定を出します。

本学情報科学部における就職内定の状況は資料のページに記載のグラフの通りですが、何人の学生がいつごろ内定を得たかを表すものが内定率の推移です。

内定率グラフの読みかた

資料のページのグラフから2006年度分だけを抜き出したものが下の図1です。ここでは全国の理工系学部での平均内定率と本学情報科学部のそれとを比較しています。全国理系の数字は文部科学省・厚生労働省の公式発表による数値を用いています。

内定率グラフの読みかた
図1. 情報科学部 2006年度の内定率推移グラフ

この図を見ていただくと明らかなように、本学情報科学部の内定率と全国平均の間には大きな開きがあります。内定率は最終的には全国平均で90%を越えますから、グラフの右端だけを見るとあまり差異は無いと感じられるかもしれません。しかし問題は夏休み前までの状況です。

上述の通り、情報機器製造業や情報サービス産業では、大手企業の大半が4月から7月ごろにかけて内定を出します。とりわけ5月〜6月が内定通知のピークです。10月より前の時点での全国理系のデータはありませんが、グラフの線を外挿すると、この時期に本学情報科学部は全国値を大きく上回る実績を挙げていることが予測できます。選考時期の早い段階で内定を獲得するということは、とりもなおさず第1志望の企業に内定がたくさん出ていることを示しています。最終的に卒業式の時点で内定率が高くても、意中の会社に就職できているかどうかは別の問題です。就職先が意中の会社であったかどうかは本人の満足度に関わるきわめて重要なファクターとして考えるべきでしょう。

また早く内定を獲得すると、より長い時間をかけてじっくりと卒業研究に取り組めます。理工系の卒業研究と並行して就職活動のために駆け回る生活はたいへん無理があり、事実上、就職活動が終わらなければ卒業研究に取り掛かれません。より長い時間を卒業研究に割くことができれば、それだけ充実した大学生活を過ごせるに違いありません。

受験雑誌や週刊誌が掲載する「就職率」は、学生が卒業する時点での最後の内定率の数字が使われます。上のグラフでは右端の水色楕円で囲んだ部分の数字に該当しますが、この数字だけを見るとどの大学も大差が無いように見えてしまいます。しかし実際には4年生の春学期の間にどれだけ内定に結びついているかが本人の大学生活における満足度や充実度と密接に関連するのではないのでしょうか。

就職内定率の数字が意味するもの

もうひとつ、この種の統計情報やグラフを見る際に注意していただきたい点があります。就職率とは就職内定した人の数を表しますが、問題はその数を何で割り算したか、です。受験雑誌や週刊誌が内定率として使用する数字は次の式によって計算される場合がほとんどです。

就職率

ここで問題は分母の数です。大学で学ぶ人には様々な背景があり、必ずしも全員が就職を希望するわけではありません。例えば会社を定年退職した人が生涯学習の一環として学ばれる場合もあり、また主婦の方が教養を身につけたいという目的で勉強されているケースもあります。働きながら学士号を目指しておられる方もたくさんいらっしゃいます。これらの人々は就職を希望するわけではないので、一般にこの種の統計をとる際に母数から除外します。

しかし学校によっては卒業者の数と就職希望者の数に大きな隔たりがある場合があります。これは上述のような就職を必要としない人が多く含まれるケースや、また全国的な傾向として就業意欲が希薄な人が増加する傾向にあるためです。これでは実態が不透明で、また就職支援が適切に行われているのかどうかが的確に判断できない可能性があります。

このような状況を見極めるには、「就職率」の数字を次のような算出根拠で比較してみると一目瞭然となります。

就職率

すなわち卒業する人のうち、大学院進学者を除いた人の何%が就職できたか、を見ることが重要と考えられます。この尺度による過去4年間の本学情報科学部での就職率(内定率)の値は次の図2に示す赤色グラフの通りです。

就職率
図2.卒業者数を分母として計算した内定率(大学院進学者を除く)大阪工大情報科学部

過去4年間の本学情報科学部でのこの数字はおよそ88%〜91%の間を前後しており、就職希望者数を分母とした数字と大差がありません。ある報道機関が最近調査し、発表した就職状況調査の結果を基にこの基準で就職率を計算しなおすと、全国の主要な大学の中で本学情報科学部の就職率はベスト10位の中に入っています。医科大や薬科大など、事実上全員就職を果たす大学を含んでのベスト10ですから、この数字には大変大きな意味があると考えられます。

進学者を除いた卒業者数に占める「就職希望者」の割合は各大学で大きなばらつきがあり、大部分の学校で50%〜80%程度です(本学情報科学部は92%程度)。すなわち、見かけ上の就職率の数字にこの割合を乗じたものが実際の「卒業者に対する就職者の割合」となるのです。

もちろん大学に通うだけで自動的に就職できるはずはなく、本人の自覚と努力を抜きにしては就職はありえません。本人がしっかり努力することが前提になります。その上で大学の就職支援活動のきめ細かさを判断する指標として上記の数字を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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