星宿図解説−高松塚古墳の天井画から


天井画・壁画の意味

 昭和47年3月に高松塚を再発掘調査した際に天井画・壁画が発見された。石槨内の天井部に星宿、側壁面に日月、四神、人物群像が描かれていた。一般的な関心を集めたのは人物群像であったが、被葬者を含め検討する場合に、日月、四神、星宿の描かれている意義が重要となる。中国流では、天井に日月を描き、壁面に星宿を描く。しかし、高松塚では星宿を天井に描き、壁面に日月と四神が描かれているので墳墓の室内空間上、主要テーマは、日月と四神というふうに考えることが出来る。したがって、全て統一した思想表現であるといえる。

分野説について

 分野という語義から説明する。「戦国の時、天文家が中国全土を天の二十八宿に配当して区別した称。其の分野に星変のある時は、其の国に災いがるといふ。」とある。つまり、分野説とは天上の星を地上の国や地域に配当し、それぞれに対応する天と地の間に密接不離の関係があるという説である。

古代中国の星宿と西洋現代の星座の対応

 本研究では古代中国の星宿の中から、二十八宿だけを表示させている。二十八宿は、伝わった地域により形を変えているので、古墳などで見つかった壁画などを参考に星座線を描いている。二種類の星座はそれぞれ、トルファンで見つかった墳墓に描かれていたものと、高松塚古墳で描かれていた天井画である。
 壁画などを参考にしているので、星が欠けてしまっている箇所も存在する。アプリケーション上で、容易に欠けている星が分かる場合は星座線を結んでいる。星座が丸ごとかけてしまっているものや、アプリケーション上に存在しない星が数多くある場合は星座線を描いていない。欠けている星が少ない場合は、飛ばして星座線を結んだり、他の星で代用している星座もある。これは現代の星座線を結ぶ際にも適応している。対応比較は実際にアプリケーションを使って検証して欲しい。


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