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大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理・数理科学研究室 2012年度 卒業研究

「準光速世界で見える風景の擬似撮影」

情報システム学科 葭矢 景淑 

2012/2/13 作成

概要 / 目次 / 卒業論文/

概要

本研究では、OpenGLを使い、物体がどのように変化して見えるか3Dシミュレーションを行った。 図1は建物配置の全体図で、以下では観測者が前進し中央の赤い点を通過した時の風景を示す。 図2から図4には、観測者視点の前方の景色(上)と後方の景色(下)の、物体の変形や光のドップラー効果を取り入れたシミュレーション結果を示す。

図1:使用したマップ
速度0.2cでは、物体の変形は僅かであるが、光のドップラー効果により、景色の色は大きく変化し、物体によっては光が認識できない紫外線や赤外線領域(黒色)となった部分もある。 速度0.8cでは、物体は大きく歪み、前方の景色では物体が運動方向上に伸びている。 また、ほとんどの物体からの光が紫外線、一部は赤外線領域となった。 観測者が前方へ高速運動をすると、前方と後方では景色の変化が全く違ってくる。 詳細は卒論で説明するが、図3と図4の観測者が後ろの壁の近くにいるように写っているのは、観測者がいる座標で見える景色と、高速運動をする観測者が見える景色とは違うためである。
           
図2:速度0.2cドップラー有り
図3:速度0.8cドップラー有り
図4:速度0.8cドップラー無し


目次

  1. 序論
    1.1 背景
    1.2 本研究の目的
    1.3 光とは
    1.4 光のドップラー効果と横ドップラー効果
    1.5 光行差
    1.6 物体の形状変化
    1.7 本論文の構成
  2. 波長とRGBと明るさ
    2.1 RGBとHSVモデル
    2.2 RGBからHSVへの変換
    2.3 HSVからRGBへの変換
    2.4 RGBから波長への変換
    2.5 波長からRGBへの変換
  3. 横ドップラー効果
    3.1 横ドップラー効果の式の導出
    3.2 横ドップラー効果の式のグラフ化
    3.3 横ドップラー効果の可視化
  4. 光行差
    4.1 光行差の指呼の導出
    4.2 光行差の式のグラフ化
    4.3 光行差の可視化
  5. 見え方による物体の形状変化
    5.1 テレル回転
    5.2 テレル回転による物体の変形
     5.2.1 テレル回転と速度
     5.2.2 テレル回転と奥行き
     5.2.3 テレル回転と運動方向の位置
     5.2.4 テレル回転と観測者と物体の距離
     5.2.5 テレル回転を簡潔化した式
    5.3 見え方による物体の変形
    5.4 2次元の物体変形の式の導出
    5.5 2次元物体変形シミュレーション
    5.6 簡潔化した式の考察
    5.7 3次元の物体変形の式の導出
    5.8 3次元物体変形シミュレーション
  6. 準光速世界の擬似撮影
    6.1 OpenGLとは
    6.2 OpenGLによる3Dシミュレーション実現に向けて
    6.3 OpenGLを用いた3Dの物体の変形シミュレーション
    6.4 ドップラー効果を取り入れた3Dの物体の変形シミュレーション
    6.5 マップを変更しての物体の変形とドップラー効果を含めたシミュレーション
  7. まとめ

卒業論文

  • 卒業論文 [pdf]
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