球面は折り紙で作ることはできず、近似形として作ることしかできない。まずプログラミングするに当たり、最も簡単な近似形として立方体を考え、球体の表面データを立方体上に投影するツールを作成した。球体の表面データとして地球の表面データを使用し、立方体に近似した地球儀を作成した。さらに、その他の正多面体上にも投影するツールを作成した。投影結果は正多面体の展開図という形で出力し、実際に組み立てることにより、視覚的に変換を確認した。
正四面体の展開図をタイリングし、そこから世界地図を切り出すことができる。切り出す条件も求めた。図1. 正六面体地球儀の展開図 図1が正六面体に投影した結果である。論文では、内接球と外接球を考えた際の違いについても述べている。
図2の青色の枠で示した平行四辺形、緑色の枠で示した長方形は、枠の大きさを変えなければ、矢印の方向に任意の距離を動かすことができる。
図2. 正四面体の展開図のタイリングと切り出し 図3. 世界地図を切り出す条件
赤色・黄色の枠で示した長方形は、左右には正3角形の1辺の長さ刻み、縦方向には正3角形2個の高さ刻みでしか切り出すことができない。
図3で図2から切り出す条件を説明する。
正3角形1つを正四面体の面の1つとして考える。正四面体の4つの面で、地球上のすべての位置を網羅した世界地図となる。つまり、切り出した形に赤・青・黄・緑の正3角形が1つずつ含まれていれば、世界地図となる。
白い枠の1番・2番はそれぞれ図2の青と緑色の枠に当たる。白い枠の1番は長方形で示しているが、面積が変わらなければ、青い枠で示した平行四辺形の形でも切り出すことができる。
白い枠の3番・4番はそれぞれ図2の黄と赤色の枠に当たる。正3角形の枠に沿って動かした場合でも、各色の正3角形の面積が変わってしまうことがわかる。同じような枠の取り方でも、白い枠の5番は緑の正3角形が含まれておらず、青い正3角形が2つ含まれており、世界地図とはならない。
切り出すことのできる長方形は、白い枠1番・2番のものは縦:横の比が1:2.309、白い枠3番・4番のものは縦:横の比が1:1.732である。