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大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理・数理科学研究室 2015年度 卒業研究

多面体の画面への投影 ケプラーの太陽系モデルとミウラ折り

情報システム学科 奥野駿哉

2016/3/2 作成

概要 / 目次 /

概要

1.ケプラーの多面体太陽系モデル 天王星が発見されるまでの1781年までは惑星は水星、金星、地球、火星、木星、土星の6つの惑星しか存在しないものと思われていた。しかしケプラーはその惑星が6つしか存在しない理由にこだわり、それらの惑星の軌道と何か関係があるのではないかと考えた。 そしてケプラーは「惑星が6個である理由を正多面体が5個しかないことに対応している」と考え、「それらの惑星と惑星のの軌道の間に正多面体が当てはまり、その正多面体の内接級と外接球が正多面体の内側と外側の惑星の軌道となっている。」という説を考えた。 ケプラーが作ったモデルは土星から水星まで外側から正六面体、正四面体、正十二面体、正二十面体、正八面体の順に入れ子構造になったモデルを作成している。このモデルがケプラーの多面体太陽系モデルである。
   
  
 
  
座標変換説明図
 

2.ミウラ折り ミウラ折りとは、三浦公亮氏(東京大学名誉教授・文部科学省宇宙科学研究所)が考案した、地図の折り方である。 対角線部分を持って、さっと左右に引っ張れば広がり、たたむことができる。という特徴を持っている。 現在、各方面で活用、実用化がスタートしている。 三浦公亮東大名誉教授は宇宙構造物の設計家であり、主な作品として、宇宙実験衛星(SFU)の太陽電池パネルや電波天文衛星「はるか」の大型宇宙アンテナなどの設計がある。 折り紙はその模型としてつくられたものである。 精密に設計された造形にはムダのない美しさがあり、ミウラ折りはこうした研究成果 の応用である。 ミウラ折りの実用としては地図の折り方、宇宙実験衛星の太陽電池パネルなどに使われている。ミウラ折りを利用して作られたとして吉村パターン(ダイヤカット)という構造も開発されており、これは缶チューハイなど円筒のものに使われており、特徴としては通常の円筒より強度が増すという特徴がある。大規模なものとしてはロケットの構造などにも考えられている。

   
  
 
  
ミウラ折り図
 


目次

  1. 序論
    1. 動機
    2. 目的
    3. 投影方法
  2. ケプラーの多面体太陽モデル
    1. 概要
    2. 目的
    3. 検証方法
    4. 各正多面体の内接球と外接球の半径
    5. 検証結果
    6. 考察
    7. モデル図
  3. ミウラ折り
    1. 概要
    2. 目的
    3. モデルの製作
    4. ツール実行画面
    5. ミウラ折りにおけるポアソン比
  4. 結論
論文