研究室トップページへ / 卒業研究一覧へ

大阪工業大学 情報科学部 宇宙物理・数理科学研究室 2019年度 卒業研究

核図表の理解を深めるツールの開発

情報システム学科 氏名 丸山 健斗

2020/3/4 作成

概要 / 目次 /

概要

核図表は、同位体元素を含む 3000 以上の核種を陽子数、中性子数、原子の結合エネルギーを軸に取った 三次元の図表である。本研究では、核図表を画面上で再現し、大まかな特性を簡単に見ることができる教 育教材アプリケーションの開発を行った。開発の目的は、原子核について興味を持ってもらうことである。 また、中高生にも理解してもらえるように直観的に操作し易く、見易いものであることを目指した。

本研究で作成した核図表のデータは ATOMIC MASS ADJUSTMENT[1]のサイトから取得した。また、原子は Fe が一番安定している。その Fe を底とし縦軸に結合エネルギーをとる形で核図表全体が谷の形を形成し ている。その形状のことを「ハイゼンベルグの谷」と呼んでいる。

アプリケーション作成は Java 言語に標準で備わっている Applet を使用した。Applet は Web での公開が 容易であり、ほとんどの PC で利用ができ、Web でなくとも Appletviewer で利用することで見ることも可 能である。描画されている原子核のデータは、上記の要素を描画用に数値を整数に加工し表示した。

画面は、核図表の表示と上部に配置した各機能のボタンから構成される。図 1 に起動直後の操作画面を 示す。スタート画面は陽子数と中性子数を軸に取った二次元の核図表が描画される。表示されている色分 けは、結合エネルギーの強さを示している。核分裂には崩壊系列と呼ばれるものが存在し、ウラン系やト リウム系、アクチニウム系などがある。これらの系列も表示できるように工夫した。核の崩壊系列に対応 したボタンをクリックすることで、核の分裂の様子がアニメーションで描画される。図 2 に中性子の軸か ら見た核分裂のアニメーションの例を示す。目盛りを付け大まかに陽子数、 中性子数、結合エネルギーの数値がわかるように工夫した。

図1 起動画面        図2 核分裂のアニメーション


目次

  1. はじめに
    1. 目的
    2. 試み
    3. 本論文の構成
  2. 原子核
    1. 原子とは
    2. 原子核とは
    3. 周期表とは
    4. 同位体とは
    5. 核反応と結合エネルギー
    6. 核融合
    7. 核分裂
    8. 結合エネルギー
    9. 核崩壊と半減期
    10. 崩壊系列(放射性系列)とは
  3. 核図表
    1. 核図表とは
    2. 核図表の見方
    3. 周期表との関係
  4. 核図表アプリケーションの解説
    1. データの処理
    2. アプリケーション画面
    3. 各種機能
  5. まとめ


氏名 丸山 健斗 2020年4月からの所属先 (株)日新システムズ
2020年4月からの連絡先 kento.m0217 at gmail.com