大阪工業大学情報科学部宇宙物理・数理科学研究室2021年度 卒業発表

WEBで見て触る太陽系シミュレータ

C18079 深井友貴

2022/2/28作成

概要/ 目次/卒業論文 (pdf)
シミュレータの使い方 (html) / WEBで見て触る太陽系シミュレータ

概要

3次元コンピュータグラフィックス(以下3DCG)を用いて太陽系を再現し、日付の変更、視点変更などの画面を操作できるシミュレータを作成した。惑星の運動方程式を解く際、太陽系内にある惑星それぞれから受ける万有引力を考慮する必要がある為、多体問題としてRunge-Kutta法を用いて運動方程式を解いている。計算に用いた惑星の初速度、初期位置などはNASAの「Horizon System」より引用している。
Web上で,マウスによる画面操作で表示画面を自由に動かすことで、リアルタイムで宇宙空間を触っているような感覚をユーザに与えることができるアプリケーションにした.言語はHTML,CSS,JavaScriptを用いた。JavaScriptでは惑星などの球体、光や影の表現ができる3DCGを用いることができるTHREE.jsというライブラリを用いた。
本シミュレータでは太陽系全体の表示ページ、惑星軌道の表示ページ、日食月食の表示ページの3ページで構成している。図1では太陽系のそれぞれの惑星の軌道を表示している。例えば水星の軌道が他の惑星と比べてどれだけ傾いているのかを確認することができる。 例として図2は2019年1月6日の日食を表示したものである。軌道を正確に解いているので日食月食の表示も可能である。


図1. 太陽系全体の表示ページの例:水星,金星,地球,火星の軌道表示

図2.日食月食の表示ページの例: 2019/1/6に日本で観測された部分日食

このシミュレータは100分の1日刻みで惑星の運動方程式を解き、1日ごとの惑星の位置や速度を算出している。そのため、描画間隔も100分の1日間隔まで細かくすることができ、滑らかな描画も可能である。日食月食表示では、3DCGの機能を用いて光と影を用いて日食の時は地球に影が落ち、月食の時は月が陰で隠れるように再現した。また、太陽が自身で光っているように見えるよう複数のライトを用いている。
このシミュレータの太陽系全体の表示ページでは1990年から2035年までの表示ができ、日食月食の表示ページでは2010年から2035年までの表示ができる。正確さを保つために1年ごとに惑星のデータを新たに入れ計算で生まれる誤差をできるだけ少なくする工夫をした。また、WEB上で公開しているためソフトのインストールやライセンスの購入などをする必要がなく気楽に使用できることもこのシミュレータの特徴である。

目次

  1. はじめに
    1. 目的
    2. 文書構成
  2. 惑星の軌道の計算方法
    1. 運動方程式
    2. Runge-Kutta法
    3. 初期条件
  3. シミュレータ作成上の工夫
    1. 制作の概略と目的
    2. 政策の工夫点
  4. シミュレータの使い方と実例
    1. シミュレータの構成と説明
    2. シミュレータの実例
    3. 他アプリケーションとの比較
  5. まとめ

卒業論文

卒業論文 (pdf)

シミュレータの使い方

シミュレータの使い方

シミュレータ

WEBで見て触る太陽系シミュレータ